インプラントは歯を失った時の治療法として、入れ歯やブリッジにはない健康的に大きなメリットがある反面、外科的手術が必要なため、安全性が特に求められる治療方法です。
現在、世界中で使われているチタン製インプラント体を用いて、ヒトへの臨床応用が開始されたのが1965年のことです。臨床結果が優れていることが世界的に広まったのは、1980年代になってからです。
素材や技術の進歩、臨床実績の積み重ねにより、治療の安全性が高まり、一般にも広く知られるようになったことから、歯を失った時の治療としてインプラントを選択する人が多くなってきました。
これからインプラント治療を考えている方が、より良い治療を安心して受けられるように、安全にインプラント治療を受けるためのポイントをご紹介します。
インプラントを行う際に、歯科用CTで上顎や下顎の骨の状態や、骨の中を神経や血管がどのように走っているのか、周囲の組織の状況を確認することはとても重要なステップです。
顎の骨の厚みや、神経の通っている位置は一人ひとり違います。歯科医師は3次元のCT画像を見ることで綿密な治療計画を立てることができます。
絶対に必須とまでは言えないにしろ、より安全でより正確な治療を受けるためには、歯科用CTを置いている歯科医療機関を選ぶ方が賢明です。
予後の良い治療のためには、歯科医師の経験の蓄積に加えて、歯科用CTによる詳細な画像診断を行い、患者さんが納得できるまでインフォームドコンセントを実施しながら、治療を進めていくことが大切です。
インプラント治療は、顎の骨に歯の土台となるフィクスチャーと呼ばれるインプラント体を埋入します。
穴をあける行程では、専用のドリルを使用することで、穴の深さをコントロールすることは可能です。しかし、角度のコントロールまでは難しく、歯科医師の技術と経験に左右されてしまいます。
人間の感覚(技術と経験)だけに頼らずインプラント治療の精度をさらに向上させるために、サージカルガイドを導入するクリニックが増えてきています。
サージカルガイドとは、ドリルで穴をあける位置にドリルを固定するための穴があいたマウスピースのことで、インプラントを埋入する位置や深さ、角度のズレをほぼなくすことができます。
アクア歯科医院で使用しているサージカルガイドには、大きく分けて3つの特長があります。
ガイドを製作する際にラボ(技工所)に模型を送っておわりではなく、ひとつのデータを歯科技工士とPC画面を共有しながら、同時遠隔操作で設計作業を進めることができるため、埋入位置、角度、深さなどの設計を最適かつ正確に再現することができます。
適合の確保や素材の変形を防ぐために3Dプリンタや光造形法は使用されていません。また、制作工程でのズレを防ぐため、スリーブの位置設定には寸法誤差がほぼないレゴブロックが使用されています。
現在のスタッド(ブロックの上部ポッチ部分)とチューブ(ブロックの下部)方式のレゴRブロックが開発されて2008年で50歳を迎え、現在では親子2世代、3世代で受け継がれ愛用されていますが、そのブロックは0.002mm以下の誤差という精巧さで製造されています。(引用元:レゴRブロックの可能性 - レゴスクール)
症例にもよりますが、歯茎を大きく切開したり、骨を必要以上に削る必要がないため、一般的な手術方法よりも腫れや痛み、出血をなくすことができます。ピンポイント埋入によって、患者様の身体に負担の少ない(低侵襲)かつ短時間でのインプラント手術が行えます。
インプラントの手術が完了しても、その後定期的に歯科医院に訪れてメンテナンスすることは非常に重要です。
インプラントそのものは材質的に虫歯になることはないのですが、歯周病のリスクがなくなるわけではありません。
そのため、インプラント手術を受けた後になんのメンテナンスも行わずにいると、歯周病菌によってインプラントを支える骨が溶けてしまうインプラント周囲炎になってしまうことがあります。
歯科医院に訪れたときには随分進行していて、インプラントを取り除かなくてはならない状況になっていることも。
このようなことを予防し、インプラントを長く安全に維持していくためにもアフターメンテナンスは欠かせませんので、必ず定期的に歯科医院でインプラントの状態を確認してもらうことが大切です。